市民球場再生計画

1月28日
新球場周辺、賑わいゼロ-。

今日付中国新聞に「バーベキュー小屋撤退」「マツダスタジアム西側にぎわい施設」「呼び込みや看板、市の制約に不信感」の見出しで、広島市の姿勢を厳しく指摘する記事が掲載された。新球場問題に関する同紙の論調としてはある意味、異質な感じもある。

問題となったのは昨年7月にオープンしたバーベキュー小屋「ふるさとダイニング」。オープン当初は中国新聞にも紙面を割いて紹介された。

この施設の説明をするには長くなるので以下、箇条書きにする。

・2005年6月、秋葉前市長の判断で、「現在地建て替え」で決まっていた新球場建設場所が「貨物ヤード跡地」に決定

・2006年10月、球場とその周辺を一体とみなして募集していた過去2度のコンペを広島市の都合などでご破算にして行われた3度目のコンペで「環境デザイン研究所」(東京都)の作品が最優秀作品に選ばれ広島市が契約。球場完成は2009年春とされたが、この時すでに本当の「完成」(要するに貨物ヤード跡地全体の完成)はあいまいにされたまま、09年春の「賑わいの新たな拠点作り」(2004年末から2005年にかけて開催された広島のトップが集まった新球場建設促進会議での取り決め)は反故にされた。

・2009年春、マツダスタジアムのみ完成

・2009年8月、マツダスタジアムアクセスに関する賑わい検討委員会スタート。メンバーは新球場設計者の仙田満東京工業大学名誉教授、三井不動産関係者、地元住民の方たちほか。同委員会の活動は2010年11月まで。市のHPによると会合は1年間でたった3回。この中で出たのが「フリーマーケットの開催」「屋台」など。そこから冒頭のバーベキュー小屋に繋がっていく。

・2010年10月、広島市と契約を結び貨物ヤード跡地を開発する中核企業の三井不動産が9月末に延期してもらっていた周辺土地の開発についての決定再延期を要望。理由は昨今の経済事情などいろいろあるが、すでに最初の契約時点でこうなることは十分に予想されていたことが当時の取材で分かっている。

・2010年末、新球場開業から2シーズンが経過して周辺開発まったくメドが立たず。一方で2010年12月に元の広島市民球場解体着手。

・2011年1月、マツダスタジアム建設の責任者である秋葉前市長が3月の市長選に出馬しないことを表明。

・2011年2月、秋葉前市長、カープの日南キャンプを訪れ、地元開幕戦での始球式登板へ意欲を示したが実現せず。市長時代に明言した2009年春の「完成」を見ないまま松井市長にバトンタッチ。

・2011年、シーズン開幕ののち広島駅方面からスタジアムに向かう手前のスロープ南側の砂利の空地で土日曜にフリマ開催。何度も様子を見に行ったが、足下の悪い場所でしかも野ざらし、車を乗り付け物販をされる方たちが何組かいるのだが、球場に向かうファンの中で足を止める人はほんの一部。雨でも降れば悲惨のひと言。

・2011年7月、「ふるさとダイニング」が(感覚的には)やや唐突にオープン。当時の新聞記事によると、この業者は「その活性化にひと役買おう」との思いが強く、“男気”で名乗りを挙げた様子がうかがえる。

というのもこの業者はすでに湯崎知事の下、着実に実績を積んでいる広島県の「瀬戸内・海の道構想」の実証実験としての「かき小屋」を南区宇品など県内3カ所で展開し、ノウハウも持っている。

暑い最中のオープンとなり、お店のスタッフも暑さに負けず元気いっぱい。屋外でも屋内でも海産物ほかのバーベキューが楽しめるということで夏休みは確かに賑わっていた。

しかしそれも長くは続かず、シーズンが終わると人通りがぱたっり途絶えるため営業日ゼロ…。年末、年始にそのそばを通たところ犬か猫かカラスに食い荒らされた残飯が散らかり賑わい作りどころの騒ぎではない状況のまま放置されていた。

いったい誰が悪いのか?業者か?やり逃げした秋葉前市長か、その命を受けて中途半端の極致のプランを出し逃げした賑わい作り…の面々か…?

今日の中国新聞によれば、業者側の広島市に対する怒りは相当のようだ。

呼び込み禁止、チラシ配り禁止、看板の設置も観光バスの停車もダメ。

初期投資で3千万円をかけ、契約は3月までだったが、すでに撤退工事は2週間ぐらい前から始まっていた。

担当者は、賑わいつくりという広島市の考えに賛同したからこそやり始めたのにいざ営業し始めると制約、制限ばかり、活性化はお題目としか思えない、とコメントしている。

本来なら2009年春に完成していなければならなかったこの大型スロープを南北で挟む中途半端な広さと形の土地の暫定利用は何と!2016年の2月まで続くという。それまでは三井不動産が土地を購入しないため、地代は巡り巡って市民の負担になる。

マツダスタジマウの東西に残る空地は工事の始まった東側が2・6ヘクタール。一方、フリマやバーベキュー小屋で惨憺たる状況の西側は1・8ヘクタールある。

紙面上では広島市都市活性化局の品川弘司市民球場調整担当課長が業者側の声に対して事前に伝えていた、としているが、そういう問題ではないだろう。

市の担当者がどれほど現場に足を運び、どう調査してどのような対策をとったのか?何度かその場を訪れては見たが、そんな気配はまったくなかった。

広島市のある関係者は「秋葉さんの時代に誕生した活性化局だが、活性化局の名がなくなった時に街は活性化する」と自嘲気味に話していた。「活性化局」がブイブイ言っている間は広島市の都市活性化などとても望めない、ということか…

・2011年10月、球場東側の貨物ヤード跡地にコストコ、スポーツクラブなどおよそ広島らしさとは無関係な商業施設の建設に向け一部で工事着工。

・2012年1月、バーベキュー小屋撤去中



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